猫は泌尿器の病気にかかりやすい動物です。その病気の一つが【膀胱炎】。
また、猫は元気なふりが得意な動物でもあります。体調の変化はなかなか教えてくれません。
毎日のチェックで異変に気付き、早期発見することが重要ですが…
- そもそも膀胱炎ってどんな病気?
- かかるとどんな症状がでるの?
- 毎日どんなことをチェックすれば気付ける?
- かかってしまう原因と予防対策は?
など、よくわからないことばかり。
この記事では、そんなよくある疑問に答えます。
ちなみに我が家のにゃんこは以前、膀胱に細菌がいることを発見しました。その時はまだ膀胱炎にはかかっておらず、抗生剤を投与することでかかる寸前で細菌を排除し、治療することが出来ました。
この記事はそんな経験のある私が【膀胱炎】について調べてまとめたものです。
経験談なども含めて紹介します。皆さんの愛猫の健康のため、少しでも参考になれば幸いです。
目次
そもそも膀胱炎ってどんな病気?
膀胱炎とは、オシッコを溜めている膀胱の内壁に、何らかの原因で炎症が起こる病気です。
代表的な原因として、
- 精神的ストレス
- 細菌感染
- 膀胱内に結石ができる
などが挙げられます。原因については記事の後半で、予防対策と併せて紹介します。
また、膀胱炎にかかるとオシッコを出し辛くなることもあり、出せない状態が続くと「急性腎不全」など命にかかわる病気を引き起こす可能性があるので、油断できない病気です。
かかりやすい病気ですが、放っておくと大変なことになる可能性も。普段からチェックをして、早期発見することが大切ですね。
かかった時の症状・異変
それではどうすれば早期発見できるのか。
それは膀胱炎にかかった時の症状や行動の異変を理解し、毎日のオシッコや行動を観察すること。
かかった時の症状や行動の変化を
- 尿の量
- 尿の色、匂い
- 愛猫の行動
の順に紹介します。
①尿の量の変化
膀胱炎にかかり、炎症ができると
- オシッコの一回の量が減る
という変化がでてきます。
一般的に体重1kgあたり1日に25ml前後のオシッコをしますが、個体差があり、飲む水の量でも多少、増減します。
よって日ごろからオシッコの量を観察し、健康時の愛猫の一回分の量を把握しておくことが重要です。
固まる猫砂の塊の大きさを把握したり、システムトイレならシートを敷かないか、シートにラップを敷いたりしてもオシッコの量を観察できますね。
②尿の色、匂いの変化
色や匂いについては
- 血が混じって赤い
- いつもと違う匂いがする
という変化が表れます。
色については、膀胱内の粘膜が荒れ、出血が起きることでオシッコに血が混じることがあります。
匂いについては、特に細菌感染が原因だと「いつもと違う匂い」がする様です。なので、健康時の匂いを把握しておく必要があります。
ちなみに猫の尿は人と比べて濃いため、健康時でもきつい匂いがします。さらに個体差もあるので、「愛猫のいつもの尿の匂いと違うかどうか」を確認するということです。
③愛猫の行動の変化
最後に行動の変化については
- トイレに行く回数が多くなる
- トイレに入ったり出たりを繰り返す
などが挙げられます。
一回の排尿の量が少なかったり、発症中は残尿感があることで、何度も頻繁にトイレに行ったり、トイレに入ったり出たりを繰り返すことがあります。
ちなみに個体差はありますが、成猫の場合1日に2~4回の排尿をするそうです。自分の愛猫の普段の排尿回数をチェックすることで変化に気付く事ができますね。
毎日のチェック項目
猫にとって膀胱炎はかかりやすい病気です。日々チェックをすることで未然に防いだり、早期発見をしたいですね。
チェックする項目については、「上記の症状や変化が表れていないか」確認をするということです。
まとめると、
- 尿の量は正常か?→一回の量が健康時より少なくないか
- 尿の色や匂いは正常か?→赤みを帯びていないか、匂いはいつも通りか
- 愛猫の行動は正常か?→トイレの回数は多くないか、トイレで出たり入ったりしていないか
などを確認してください。
何れの項目も、普段の健康時の愛猫の状態を把握し、それと比べることで気付く事ができます。普段のチェックが肝心ということですね。
また、チェックをしていても正直わからないということがあるかと思います。
少しでも不安に思うのであれば、迷わず獣医師さんに相談し、尿検査をしてもらいましょう!それで何もなければ、愛猫が健康ということが分かり、飼い主さんも安心できますよね。
自宅で採尿することが出来れば、ほぼストレスを与えずに検査もできますし。
最後に、チェック項目にもう一つ加えるとしたら、
- 尿のpH(ペーハー)値をチェックする
ということも有効かもしれません。これについては、次の「原因と予防対策」のところで説明します。
かかる原因と予防対策
膀胱炎にかかる原因が分かれば、それに対しての予防対策もできますね。
前半でも記載した通り、主な原因は
- 精神的ストレス
- 細菌感染
- 膀胱内に結石ができる
が挙げられます。
それぞれの原因について、解説と予防対策を紹介します。
①精神的ストレス
そもそも猫の膀胱炎ですが、約6割がはっきりとした原因が不明で発症する「特発性膀胱炎」に分類され、残りの約4割が細菌感染や結石が原因とされています。
この「特発性膀胱炎」、明確な原因というのは不明ですが、最近ではストレスによる影響が大きいのではないかと考えられています。
予防対策
- 高い所に上がれる場所を作ったり、猫にストレスがかからない環境を整える
- 一日に数回遊んで、狩猟本能を満たす
- トイレ環境を整え、清潔に保つ
- 同居猫が増える、引っ越しをする、など大きな環境変化の際には特に注意して体調を観察する
②細菌感染
膀胱内に細菌が繁殖することで、膀胱の内壁に炎症を起こします。
オシッコを我慢することで膀胱内で繁殖したり、トイレが清潔でない場合、尿道から触接的に膀胱内に細菌が入ってくることもあります。
予防対策
- すぐに排尿出来る環境を整える(猫の数+1つのトイレが適切とされています)
- 常にトイレを清潔に保つ
特に、メスの方が尿道が太く短いので、トイレなど外部から細菌感染をしやすいので注意が必要です。
また、細菌に感染しているかどうかの判断目安の一つとして
- 尿のpH(ペーハー)値をチェックする
という方法もあります。
細菌の一つに「ブドウ球菌」というものがあり、この「ブドウ球菌」が膀胱内で繁殖すると、尿をアルカリ性に傾ける性質があるからです。
我が家のにゃんこの経験談
我が家では、外から細菌が体に入ったことで膀胱炎になりかけました。
普段の尿のチェックをしていた時、少しキラキラしているな~と感じ、pH値のチェックをしたところ、アルカリ性に傾いていました。
【尿石症】の典型的な症状だったので、動物病院で尿検査をしてもらったところ、「ブドウ球菌」と「ストルバイト結石」が見つかりました。
「ストルバイト結石」とは、尿がアルカリ性に傾くと結晶化しやすく、「ブドウ球菌」は前述の通り、尿をアルカリ性に傾ける性質があります。
つまり、我が家のにゃんこは
トイレからブドウ球菌が膀胱に入る → 尿がアルカリ性に傾く → 膀胱にストルバイト結石ができる
という流れでした。尿石症を早期発見できたことで、膀胱炎になる前に細菌の存在に気が付き、治療することができたということです。
獣医師さんによると、
今回はブドウ球菌の数がまだ多くなく、免疫力によって抑えられ膀胱炎の発症までには至らなかった。
ただ、少し体調を崩したり、免疫力が落ちたりすると膀胱炎にかかる可能性があった。
ということでした。
ちなみに我が家のにゃんこはメスです。前述の通り、メスの方が尿道が太く短いので、トイレなど外部から細菌感染をしやすいので注意ですね。反省です。
ということで我が家では、尿石症の早期発見、膀胱炎の予防のためにも定期的にpH値のチェックをしています。
「ねこのきもち」の付録でついていたオシッコチェッカーを使っています。
尿石症については下記「③膀胱炎に結石ができる」内のリンクをご参照ください。
③膀胱内に結石ができる
猫の泌尿器の病気の一つに【尿石症】というものがあります。
尿石症とは尿路に石ができる病気で、膀胱内に石ができることで膀胱の内壁を傷つけ炎症を起こし、膀胱炎につながります。
予防対策
尿石症を予防することで、この原因の予防になります。結石ができやすい体質のにゃんこには療法食を与える、などです。
別の記事で尿石症についてまとめています。下記リンクをご参照ください。
かかった時の対処方法
膀胱炎を発症した原因によって、治療方法は多少異なります。獣医師さんと治療方法を相談してください。
細菌感染が原因の場合は、抗生剤を投与し細菌を排除、消炎剤で炎症を抑える。
結石が原因の場合は、療法食を与えたりして結石の治療をする、消炎剤で炎症を抑える。
などです。
我が家の場合は、まだ膀胱炎には至っていなかったので、抗生剤と療法食を与えることで、細菌感染と結石を治療することが出来ました。
定期的な尿検査と健康診断を
猫は泌尿器の病気にかかりやすく、膀胱炎はその一つです。
さらに、膀胱炎は一度かかると再発しやすい病気でもあります。
愛猫の健康の為、半年に一回などできるだけ短いスパンでの尿検査、健康診断をおすすめします。
尿検査だけであれば、自宅で採尿をして持っていく方法もあり、にゃんこに大きなストレスを与えずに検査もできます。
自宅での採尿方法は以下のリンクをご参照ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。皆さんの愛猫の健康のため、少しでも参考にしていただけましたら幸いです。